在宅看護をする患者さんの中には、精神疾患の患者さんが多く見られます。精神疾患には何種類か種類があり、その特徴によって看護の仕方が変わってきます。


精神疾患の中でも多く見られるのが、統合失調症です。主な症状としてあげられるのが、幻聴、妄想、幻覚、思考障害、無為、自閉などです。通常は薬物治療が行われ、正しく薬の服用を続けていけば症状は落ち着いて、再発も防止することができます。ところが、患者さんの中には、服用を勝手にやめてしまう人が多く見られます。訪問看護師は、症状の悪化を防ぐために服薬管理を行います。薬を飲んだ、と嘘をつく患者さんも中には見られます。そのような行動をさせないためにも、常日ごろから、患者さんの状態をしっかりと見極めて、少しの変化も見逃してはいけません。気づいたことは医師や関係機関に伝えます。また、統合失調症の患者さんは、自分の病気について、勉強をすることも大切です。訪問看護師も、病気についての勉強を一緒に行い、どうやって病気とうまく付き合っていくかを患者さんと共に考えます。病状の悪化や再発、再入院を防ぐために、普段から精神状態や内服の状況を把握することが大切です。患者さんが成長していくための支援を行うのです。


最近、多く見られるのが、境界型人格障害です。女性の患者さんが多く、決まった相手に強く依存し、感情のコントロールができません。時として、自傷などの行動に出てしまうケースもあります。一方、相手をコントロールしようとするという症状もあります。周囲を振り回すこともあるでしょう。訪問看護師は、①目標を決める②それに基づいた約束事を決める③約束が守れなかった場合は振り返りをする、というケアを行っていきます。境界性人格障害の患者さんとは距離感の取り方が難しいと言われています。いつの間にか依存されているケースが多くあります。境界性人格障害の患者さんを担当する場合には、最初に、できることと、できないことをはっきりと伝えておくことが重要です。ケースによっては、看護師を二人体制にするなど、医師と相談しながら看護をしていくといいでしょう。
また、最近増えているのが広汎性発達障害です。これは自閉症、アスペルガー、レット症候群、小児期破壊性障害、特定不能な広汎性発達障害などのことを言います。対人関係の障害、言葉が覚えられないコミュニケーション障害、音や物に対する感覚過敏や感覚障害などが、症状にあげられます。他人の気持ちを理解することが難しいので、社会生活を送ることが困難です。社会生活が少しでも送りやすくなれるように、具体的なサポートをするのが訪問看護師の役目です。また、新しいことにチャレンジをする時も、具体的に内容や流れを伝えておくと、不安が減ります。さまざまなことに不安を抱えているのが、広汎性発達障害の患者さんです。小さな不安でも、訪問看護師が受容することが最も重要なケアと言えます。その上で医師や専門職員と連携を取り、患者の社会環境を整えていくことが必要でしょう。